名作と言われてるけど、2時間23分って長いし、ほぼ刑務所内の話って暗そうなので、観てなかった。金曜リクエストロードショウで、テレビ放送してたので、この機会に観てみました。何がそんなに感動できるのか・・・
ショーシャンクの空に
1994年 アメリカ映画 143分 ヒューマンドラマ
あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます。
若き銀行の副頭取・アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻と浮気相手の男を殺した疑いで逮捕、そしてショーシャンク刑務所に入獄させられる。終身刑! 現場にはいた。拳銃持ってる。動機もある。「はい、有罪。そして実刑。」ってこの時代の司法、雑だわ~。 実際、殺ってないのに。
ショーシャンク刑務所は、規律が厳しい感じじゃないけど、看守が気に入らない囚人を殴る蹴る。3階建てのモール形状。みんな個室。ちょっとお城みたいな外観。普段から囚人がタバコ吸えてる。最初、アンディは孤立していて、囚人の中でも悪そうなヤツ、ボッグスとその手下に、ヤラレちゃう。男ばかりの刑務所でよくあるやつね。描写は無いけど(地上波用の編集かも)。力のあるヤツがやりたいようにやってる理不尽な世界。
そんなアンディに、声をかけてきたレッド(モーガン・フリーマン)。囚人の中の「調達屋」で彼に頼めば、シャバからこっそり取り寄せてくれる。アンディはレッドに、ロックハンマーを頼んだ。ロックハンマーって、脱獄のための穴でも掘れそうな物か。とレッドも観てるピーイチも思いましたが、ちっちゃーい金づちだった。片側が曲がって尖った形の。「これで脱獄の穴は600年かかるわ」とのこと。壁に名前を刻むのはできます。
この話、1940年代の戦後。囚人たちは、屋根の工事の仕事中。看守が「遺産相続に相続税をしこたま取られる」と話してる。アンディは仕事の手を止めて、看守の話に入ってこうとする。看守は「なんじゃ!われぇ」激高して屋根の縁までアンディを落とすように脅す。アンディは有能な銀行員ですから、手続き書類、書いてあげるよーって。それができたら、この作業グループみんなにビールを振る舞ってもらう。自分は飲めないのに。これで、アンディの評価が爆上がり。囚人仲間にも、看守にも。
こうして、銀行員だった時の会計スキルを活かして、刑務所内で認められていく。アンディに性処理させようとするボッグスなんて、看守にボコられ再起不能に。
図書係に任命され、図書館を充実させていく。刑務所の所長の着服、不正にも、加担していく。架空の人物「ランドール・スティーブンス」の口座を作り、署長が着服した金を貯めていく。壁に貼ってある「His Juogement Cometh and that Right Soon....」の刺繡をめくると隠し金庫が。マネーロンダリング。これが銀行員のスキルか。
セクシー女優リタ・ヘイワースのポスターをレッドに調達してもらい、自分の房の壁に貼ります。時々、看守が部屋をチェックに来るけど、こういうの責められない。寂しい囚人の癒しとして、お目こぼしなのかな。原作が「刑務所のリタ・ヘイワース」という小説。
アンディの前から図書係だったブルックスという老人はもう50年服役してる。彼が仮釈放、となったら返ってシャバが怖くて出たくない、と暴れ出した。釈放された環境が辛くて、自殺しちゃう。首つるトコの壁に「BROOKS WAS HERE」とナイフで刻んで。ロックハンマーで壁に名前を刻んだアンディとかぶるよね。
ある日、トミーというチャラ男が入所してくる。こいつが愛想よくて、意外に勤勉なので、アンディは勉強を教えてやる。[アンディが何の罪で投獄されたか]を知ったトミーが、「あれ、その真犯人、知ってるよ。本人に聞いたから。」と教えてくれた。この辺までは良い感じ。不本意な境遇に置かれても、能力を活かし、良い環境を整えていく様子が爽快なので。レッドは「希望は危険だ」と言ってますが。
アンディは、無実を証明して、出所するチャンスと思い、署長に直談判。それを所長は受け入れない。アンディの「なんっで鈍感なんですか!?」の言葉にキレて(振り)、「あんだと?お前、懲罰房行きだ――」所長からしたら、有能な会計士&不正をすべて知る者、として外には出さず囲っておきたい。アンディの無実を知るトミーを、相談する振りして誘い出し、射殺しちゃう。
懲罰房で1か月、追加でもう1か月。アンディは憔悴してます。ここまで希望を捨てずやって来たけど、もう嫌になっちゃたよ。「希望は危険」なのか。署長が(不正)経理を任せれるのはアンディしか居ないので解放する。
「必死に生きるか、必死に死ぬか2択」と言ってました。今まで前者で頑張ってきたけど、後者にシフト=自殺すんじゃないか、とレッドは心配してる。囚人仲間も。
次の日の朝、点呼にアンディだけ出てこない。ざわっ。・・・アンディの部屋、居ません!所長が来てポスターから風が吹くのに気付いた。めくると、壁に穴があいてます。この20年間、秘かに掘り続けてた。600年かかる穴を。アンディはこの穴を抜けて、下水管を通って、大雨の外へ脱出したーー。
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あのDVDジャケットの写真は、その瞬間ですよ。「空に」っつてるけど、雨に打たれてるってどうなの?と思ってたでしょう。だけど、この瞬間がクライマックスですから。観客のだれもがスカッとする瞬間ですよ。土砂降りなのに。
不正経理の帳簿類も持ち出してきた。架空の人物「ランドール・スティーブンス」として金を下ろして、署長の不正を告発して、メキシコへ逃亡する。
所長室の壁の刺繍「His Juogement Cometh and that Right Soon....」聖書の言葉なので、スペルが古い英語なんだって。「主は間もなくやって来て裁きを下す」て意味。所長が警察に追い詰められた時にどーーん映ります。所長は観念して自殺する。
そしてレッドにも、仮釈放が認められた。物語冒頭の仮釈放の面接では、反省したとアピールしてたけど認められなかったのに、「出れなくてもいい」と言った面接では認められる。何が基準やら?しかし、レッドも[施設慣れ]しちゃって、シャバで適応できず、ブルックスの後を追いそう。
そこで、思い出した。アンディが出所後の予定、手掛かりの場所を話してくれてた。それを頼りに、メキシコのきれいな海でアンディと再会しました。
めでたし。
長いのに、飽きずに観れましたね。なるほど「名作」ですわ。・ロックハンマーじゃ600年かかる。・削りカスが出る。・希望は危険。・悪事に加担して地位を上げる。など否定的なことが散りばめられてたけど、最後にうまい具合に収束してるのが気持ちよかった。壁の刺繍もね。
ずっと名作として多くの人に鑑賞されてるので[ショーシャンクといえば刑務所]ってくらい、認知されてるんだね。「マネー~彼女が手に入れたもの~」てドラマ1話で、主人公モリーは「I've been getting out ショーシャンク」とスピーチしてる。字幕は「刑期を終えた」だけだった。聴衆はそれで分かるんですね。あー、誰かと「ショーシャンク」で分かり合える会話したいな。刑務所の話題が出ることは、まず無さそうですが・・・