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「竜とそばかすの姫」は大きいようで小さい

金曜ロードショーで7/8に,テレビ放送するはずが中止になってしまいましたね。

竜とそばかすの姫

2021年 日本映画 121分 アニメ

あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます

田舎の地味な女子高生、すずが主人公。幼い頃、母が、増水する中州に取り残された子供を助けようとして死んでしまった。それ以来、好きだった歌が歌えなくなる。

親友のヒロちゃんから、メタバース「U」に招待される。この世界でのアバター「As(アズ)」は本人の生体情報をもとに出来上がる。ーにしても似つかない、あの派手な歌姫ベルが出来上がりました。そばかすは、目の下の赤い斑点として強調されてる。顔は、同じ高校で人気の美少女・ルカちゃんに似ちゃったみたい。ヒロちゃんのAs(アバター)は小さな妖精みたいなの。ルックスは似顔絵になるわけじゃないのね。忠実に再現されては、アバターの意味が薄れるわな。「U」内で(最初に)でてきた他の As はだいたい、魚みたいなサイズ・姿で空中を漂ってる。本人の情報に依拠するなら、人型で派手な見た目の Asになれた すずは、ここでは勝ち組なのでは?と思いました。

「U」の中で歌を歌ってベルは大人気になる。すぐにフォロワー2316万人。親友ヒロちゃんのコンピュータスキルとプロデュース力!がすごい。ヒロちゃんは毒舌で、難しそうな数式をすーらすら解いてるし、しっかりしている。Yoasobiの人が声をやってるのが意外。お金持ちっぽい家で、PC機材もいっぱい所持。頼りになるわ。 

世界中の人がベルのコンサートを聞きに参加。「その数1億人とも2億人とも」。そこに邪魔しに割り込んでくる「竜」というAs。それを追って「U」上での治安部隊ジャスティス(=ヒーローっぽい見た目の集団)が竜を抑えようとする。そのリーダーは腕から放つビーム砲でアンヴェールできる。アンヴェール= unveil   正体を明かす=本人の姿(オリジン)をさらす、という罰。バックにたくさんのスポンサーが付いてるからなのか、こんな権限を持ってる。英語では、明らかにする、暴露する、[隠れているものを]見せる、という意味の「reveal」のが、よく使われるんじゃないかな。

この辺から、映画「美女と野獣」みたいになってくる。「対戦成績369勝3敗2引き分け(データを使用できなくなるまで)やり過ぎる」暴れん坊に思われた竜は、実は傷ついていて、ベルは竜が気になる。竜を守りたい。ジャスティスは正義を振りかざす圧政者みたいな。「U」上ではベルの歌と、竜の正体は誰か?だけが話題になってる感じ。

現実世界では、クールで女子に人気な幼馴染みの忍くんが、すずを心配して声をかける。ブラスバンドのセンターの美少女・ルカちゃん、は忍に想いを寄せてそうだ。カヌー部をひとりで頑張ってる男子カミシン。すずとその同級生たちの人間関係も進んでいく。合唱隊のおばさん方5人はすずを見守ってる。

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「U」で、誰も分らなかった竜の住処・城や、竜の正体までたどり着けるのは、ヒロちゃんのPC,ネットスキルのおかげ。頼りになるわ。お友達になれるなら、美少女(ルカちゃん)より、イケメン(忍くん)より、絶対この子が良いね。

世界中で50億人が参加してる「U」の世界。外国語によるメッセージは直ぐに翻訳されるみたい。便利なテクノロジーだ。竜のオリジン(本人)がどこの外人でも対話できる。ベルが竜の城に行って、話そうとするけど竜は拒絶する。この後すずは、〈1〉ジャスティスと決着。〈2〉竜とその本体を守る。今まで、[すず=ベル]を知ってるのはヒロちゃんだけ、のはずだったのに、忍、ルカ、カミシン、合唱隊のおばちゃんたち、みんな知ってた感じで応援に来る。「U」上にAsもいるし。

〈1〉竜を追い詰めてアンヴェールする気のジャスティスから、ベルはアンヴェール砲で脅される。竜の正体がバレることは、実社会で危害が及びそう。竜に対しては、ベルの正体が分かった方が信頼が得られる。なので、このアンヴェールを受け入れる。そして「U」上で晒された、すずの姿で歌うのです。観客は感動。ここ、グッときましたよ。お母さんは他人のために自己を犠牲にした、けどネットで叩かれた。娘は、自己犠牲(の人助け)で称賛されてる。お母さんから受け継いだものは認められた。

〈2〉竜の正体の少年ケイとトモ君と交信して、父親に虐待されてることが判る。映像から、時報チャイムの音や窓の外のビルを手掛かりに、居場所を特定します。すごっ。ネットって匿名性がありそうだけど、探れば特定されちゃうよ。という示唆でしょうか。

ケイとトモ君、日本、東京に居たーー。今まで世界規模で捜索してたけど、「U」で話題のふたり、意外に近いとこ居ました。すずたちが居るのが高知県。ここから助けに向かう。粗暴なおっさん相手に、非力な女子高生が一人で行って、大丈夫か?大人か男が付いてかないで、一人で行かせるって・・・と思いましたが、ちゃんとやり遂げて帰ってきます。

もう自信が付いたすず。他人を守れる。忍くんに[守られる]立場じゃなく、向き合えます。ルカちゃんが好きなのはカミシンだったし。こういう(スクールカースト上位の)美少女って、ちょっと性格悪そうーーと思わせといて、そんなことはなかった。少年ケイとトモ君の件は根本解決までしてないけど、変われるさ。・・・という、少女の成長の話でしょうか。ラスト、現実世界でも歌えるようになったし。

または昨今、テクノロジーの発達によりネットワークが広がっていくけど、人とのつながりは、その分うすーく細くなってる。そこを省みませんか?・・・というメッセージが込められてるのかな。

メタバース上での大きな存在、の抱える(世界的に見れば)小さい問題。以前の映画「サマーウオーズ」が世界を救う役割だったのと比べてしまうと、そんな感じ。

 

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