辻村深月のヒット小説。売れてるのは知ってた。本屋で見かける表紙が目についてた。累計125万部との帯が付いてた。しかし、買って読むまでは行かない。映画でやったなら、と観てみました。題名の「…とゾンビ」はピーイチが勝手につながった物があったので。本編との関係は後述します。
傲慢と善良
2024年 日本映画 119分
あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます。
婚活アプリで知り合った男女の話。
主人公:西澤架(カケル:藤ヶ谷太輔)はビール問屋の跡継ぎ社長。東京育ちでイケメンで、相手はいくらでもいそうだが、婚活アプリで何十人かの女性と次々と、面談してる。
順調に付き合ってた彼女・アユから「結婚する気がないなら別れる」と。それから数年たち、30代後半になり、焦って相手を探してるわけです。
そこで知り合った坂庭真実(マミ:奈緒)が気に入って付き合いだします。おとなしめで、田舎臭さあり、やさしさ発揮するけどドジっ子。こういうちょっと弱そうな女性には奈緒、ハマり役。そしてちょっと影がある感じも。
「ストーカーに憑かれている」というので、カケルの家で一緒に暮らそう→結婚へ。
順調に結婚に進んでいくふたりだが、寿退社の送別会に行ったまま、失踪する。カケルは行方を捜して、マミの姉、両親、以前マミがお見合いした時の相手、その仲介人に聞いて回る。しかし行方は掴めない。なにかミステリー感が出てきたと思ったが…。
お見合い相手だった歯科医男性が、婚活について「学校のテストみたい」「自我を消してテンプレ通りに振るまうべき」だと。仲介者の小野里さん(演:前田美波里)は「婚活がうまくいくのは、欲しいものが分かってる。ビジョンがある人」と言う。?分からないわ。しかし、小野里さんが、「昔の小説『高慢と偏見』てあったけど、今の日本は『傲慢と善良』になった。」という。どういうことか・・・「結婚相手に[ピンとくる]ってその人が自分につけてる値段」「相手を鏡にして見る自己評価価格」こういう自分の価値観に重きを置くのが”傲慢”。でも、高望みしてない、親の言うことを聞く”善良”なんだって。両方持ち合わせてる。
タイトル、そういう意味か。カケルの(アユとの付き合いを知ってる)女友達・美奈子(桜庭ななみ)ともう一人、がマミに対して感じ悪い女で、この対比で傲慢VS善良にも思えたけど、そこ主軸じゃない。

ここまで映画45分。カケル視点でした。謎の失踪を遂げたマミ。やはり奈緒らしく(?)意外な事情を抱えてる、とみんな思ってたはず。地方で災害ボランティアに参加してました。ここからマミ視点で進む。
意外な事情…は余計な想像だった。感じ悪い女友達のせいじゃん。こいつらが送別会の後のマミを見つけて飲みに誘う。マミが伝えてた[ストーカー被害]を、カケルの気を引くための嘘だろうと問い詰める。以前、カケルに「今マミと結婚したいのは何%?」と問い、「70%」との答えを「あなたは70点だと言ってた」と伝える。怖っ!!酒飲んでるからって、カケルのためとか言って、陰でそこまで言うか!?送別会で別れを惜しんでる仲間の間に割り込んで、飲みに誘うか?確信犯でしょ!
これがショックで、マミはカケルのもとを去って行ったのです。マミの母親(宮崎美子)は過干渉な毒親で、群馬県高崎市を離れて東京に出てきた原因。「お父さんは県庁勤めで安定してたのに、自営業の方(カケルのこと)なんて」という言い方です。ここまで出来事をマミ視点でプレイバックします。マミはもっと闇を抱えてて、姿を消したんだ、と思って観てたのは演じてる奈緒の(ピーイチの)イメージでした。映画「マイ・ブロークン・マリコ」が効いてるな。
マミは、自分で決めるより、人の言うことに従ってた方がいい性格だった。見合い相手にも見抜かれてた。
「ゾンビ化する社会」(中野信子と岡本健著)て本に「人々はゾンビになりたいのかも」と書いてある。これは[自分で選んで決めることをやりたくない]から、意思の無さそうなゾンビに、て意味。2016年に「高慢と偏見とゾンビ」て映画があった。つながった?
カケルの「70%」って答え、低すぎだろ!?婚活アプリで知り合って順調な仲なら、90%以上を答えると思う。特にマミに否定的な美奈子が相手なら、盛って答えるべき。そういう計算が利かない、恵まれた環境で育ったか。最後の方で「世間知らずで鈍感」とマミも思ってたことが分かる。東京で30代で白のベンツゲレンデに乗ったイケメン社長。前半、カケル目線だったから感情移入してたけど、私のような庶民が、何をこんな”勝ち組”に気持ちを乗っけてたんだ。反省。
カケルはマミが Instagramをやっていたことマミ姉から知らされる。IDにカケルの誕生日が入ってる。彼女の心はカケルから離れてないのでは・・・と思わせといて、行方を知る手掛かりにはならない。
被災地で暮らすマミには、スナックのママよしの(西田尚美)やボランティアのリーダー高橋(倉悠貴)など心許せる相手ができてくる。1年が経っていきます。
そしてカケルが出張で訪れた場所で、偶然マミと会うことができた。都合のいい奇跡だと思いますが、それより、つながったじゃん!とうれしくなった。ここで話し合えたので、復縁しても、ちゃんと別れを告げられて終わりでも、どっちでもいい気がしてきた。観客は何らかのプログレスがあれば納得するのです。(これも[ゾンビ化する社会]に書いてあった)
マミは復縁できないと言って去っていきます。「70点の女」はずーっと引きずってます。ここで、まだつながれてるのが Instagram。カケルはダイレクトメッセージで想いを伝えた。これが響いて、帰りの電車のホームまでマミが追いついてくる。
どっちでもいいと思ってたけど、やはり二人がちゃんと仲を取り戻したのが良かった。この1ターンがあるから良いんだね。マミ「私と良い所に生きてください」で、ジ~ンときました。東京で30代で白のベンツゲレンデに乗ったイケメン社長の気持ちで恋愛ドラマを観れます。
|
|
















