この時期ラジオとかでよく耳にするクリスマスの定番曲、Wham!の「ラストクリスマス」をテーマにしたラブコメディ。ジョージ・マイケルの曲も随所に使われてる。
ラスト・クリスマス
2019年 イギリスかアメリカ映画 103分
あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます。
1999年、教会で少年少女合唱団が唄う。そのメインの歌うま少女ケイト。 彼女が大人になった2017年のロンドンが舞台。
ケイト(エミリア・クラーク)はキャリーケース持って、ロンドンの街に。バーで知り合った男と泊まったり、友人の家を泊まり歩いてる。歌手になるのを夢見て、ロンドンに出てきたのかな。オーディションには落ちまくってる。
いや、帰る家はある。母があれこれ干渉しすぎてウザいから、家に帰りたくないのです。クリスマス専門店で働いてる。この時はクリスマスシーズンだけど、これで年中やってけるのか、ロンドンでは。仕事そっちのけで、友人に電話してる。真面目な勤務態度ではない。接客は明るく、良いのだけど。
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友人は泊めてくれるけど、そこでやることが不注意なので追い出されて、また他に泊めてくれる人を探す。通電中のドライヤーを水槽に落っことして魚を死なせちゃったり、制作中のオブジェに乗っかって壊したり、「まぁあいつ泊めるの嫌」ってなる程、不注意どころか、やることが雑。店の鍵を閉め忘れて、オーディションに出かける。オーディションには遅刻。歌わせてはもらったが不合格。店に泥棒が入られる。
一生懸命なドジっ子ならヒロインとして応援したくなりますが、見た目と人当りがいいだけのいい加減な女性って感じ。これで夢かなって歌手になれても、どうでしょう。感情移入しづらいわ。主演エミリア・クラークは2012年に「世界で最も美しい顔100人」第1位に選ばれてます。
やることがうまくいかず落ち込んでるケイト。店の前で青年トム(ヘンリー・ゴールディング)に出会う。最初は「タイプじゃないの」とあしらうケイトだけど、失敗してうつむくたびに現れて、「上を見ろ」と気分が晴れるよう励ましてくれる。トムは携帯電話を持ってないので、連絡付けれない。次第にケイトはトムに惹かれてゆく。
これでくっつくなら、お気楽なラブコメディですが、ケイトが悩みを打ち明けるとこで、重たくなります。「心臓移植をした。特別扱いされてきたけど、術後、みんなから『普通にしろ』と言われるので、どう行動したらいいか戸惑ってる。」これにトムが「日常の小さな行動が人格を作る」 オッ、名言。覚えときたい。
実家に帰ると、父と母、姉マルタ、ケイトとすぐケンカになっっちゃう(ノД`)ハァ。ケイトが、今度はなかなか現れないトム、を見つけて近寄ると、「僕に頼るな」と突き放される。
ここら辺から、自分のことばかり考えてたケイトが、周りに気を配るように変わっていく。街頭でクリスマスの曲を歌う。前に置いた紙コップに人々がチップを入れていく。これをホームレス施設に寄付。迷惑をかけた友人にもお詫びしたり、姉マルタのもとにも謝りに行く。
バスで移民カップルがイギリス人に「よそ者は出てけ」と暴言を吐かれてる。ブレグジットや、移民排斥レイシズムの社会問題を入れ込んでます。ケイトも本名はカタリナ。ユーゴスラビアからの移民です。怯えるカップルに、母国語で励ましに行く。名前から移民なのが悟られると、こういった迫害を受ける。なので、本名カタリナを隠すわけです。2015年の欧州難民危機の後からか、イギリスに限らず、ゆとりがなくなってきたこの頃。みんな自国の既得権を守りたいのです。ケイトの母が「外国人が多すぎ」言ってます。日本の移民受け入れ数は世界4位なので、正面から言わないまでも、この感情を持つ人は、日本でも増えてくかもね。
トムに会いたくて、トムに一度招かれたアパートを訪ねる。部屋はきれいに片付いていて不動産業者だけがいた。聞けば、ここは1年以上空き家だと。家主は一年前に亡くなってる。何!?・・・トムって何者?
ここまで来てテーマ曲が、そういう意味だったのか~。Wham!の「ラストクリスマス」の唄い出し部分、Last Christmas I gave you my heart♪ これがフィジカルな意味だったのです。歌詞の意味をいちいち理解して聞いてない日本人なら気にしないで観てられる映画ですが、英語詩がすぐ理解できる米英などの人は、どう感じちゃうのでしょう。
ここから、ちょっとボカします。ここまでを振り返ると、トムはケイト以外の人と話していない。マ・ボ・ロ・シ~と考えると納得できる。
トムとケイトが結ばれてめでたいクリスマス。って映画じゃないの~?と思いますが、ちゃんと、ハッピーなパーティで終わります。
ロンドンの夜の風景がキラキラしてて、クリスマスの気分に浸れる映画でした。
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今回、パソコンでイラストが描けなかったので、鉛筆での下書きをのっけちゃいました。