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アブリル・ラヴィーンがこんなとこ(映画)に

食の安全に問題提起する「社会派コメディ」だと思って観たら、重かった。「コメディ」ではなかった。これからも能天気にハンバーガーを食べたかったら、観ない方がいいかも。

ファーストフードネイション

2006年 アメリカ映画  108分


 

 あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます

大手ハンバーガーチェーン「ミッキーズ・バーガー」からパテに病原性大腸菌が検出された。マーケティング部長のドンは、精肉工場に視察に行く。

提携の精肉工場は、コスト削減のために、メキシコからの不法移民を低賃金で雇い、ろくに研修もせず、ラインで肉を捌く。このラインが速いので、手元が狂うと腸を傷つける。すると、血は出る。糞も出る。そんなのeveryday。不法入国は暑い荒野を歩いて、やはりツラそう。途中ではぐれたり、誘拐されたりリスク有り。案内人は銃をちらつかせて「俺に逆らうなよ」って、不穏な感じ。それでも入って来れて、普通に住む所も確保できてる(タコ部屋に多人数押し込まれてる、とかない)

ドンは関係者に聞き込み。強そうなスキンヘッドの中年が説明してくれた。ってブルース・ウィルスでした!ここに出てるとは。「糞くらい混じるわ。俺もお前も食ってるかもよ。でも、焼けば大丈夫よ。ミッキーズの設備は良いから。」「メキシコでは、日給$3~4、うちでは時給$10だ。メキシコの月給が1日で稼げる。あいつら喜んでる」 時給に関しては良いんじゃないでしょうか。日本でも食肉加工の時給って1000円前後だし。安く使ってる訳ではなさそう(この部署は)。「お陰で肉を安く仕入れれる」と言うけど、時給は低くない。どこでコスト削減できてるかとというと・・・作業は手を切ったりする危険有り。後半では、機械に挟まれて脚を切断されちゃう。そうなったら何の補償もなし。そして、工場から出る廃棄物は、環境無視の垂れ流し。

「ミッキーズ・バーガー」店舗で働く高校生バイトのが、時給は安い。やる気のないテキトーな仕事っぷり。メキシコ不法移民と比べたら、アメリカ人のが楽な労働です。その中でも意識高い女子アンバーは、ミッキーズのバイトを辞め、学生運動の仲間に加わる。そのグループは、精肉工場が糞尿など汚物を川に垂れ流し、環境破壊してることを問題視してる。この集団に、ひときわ目立つ金髪美女が・・・アブリル・ラヴィーンでした。こういう問題に関心があったのでしょうか、こんな暗めの映画に出るなんて。ひとりだけ派手で「ゲスト出演」って感じ。ここまで観てきて、あれこれ嫌な面がでてくる、どんよりな映画だと感じてたけど、アブリルが出てきたことでちょっと和らぎました。

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この学生集団が、「手紙(抗議文)を送るか。」「それじゃ弱いよ。」「牧場の檻を壊して牛を逃がしちゃおう」「おう、それがいい」と、ノリで行動。アブリルも牧場で牛にまみれる。しかし、牛はノッてくれません。牛はゲートがオープンしても逃げ出すことなく、失敗に終わる。

食の安全の問題、格差の問題として教材にできそうだけど、メキシコ作業員ココと工場長のカーSEXのシーンが、姉のシルビアとも1回、あるので、向きません。最後に、牛を屠殺する〈牛から肉になる〉シーンがしばらく流れるので、R指定になるわけです。脳天をバシュっと撃たれて、逆さ吊りに運ばれ、皮を剥ぎ取られ、脚を切り落とされる。首も落とされる。ブヨんとした部位がラインに流れてく。まぁ、グロイ。

「お肉大好き―!」とか言ってる人、これを見たうえで無邪気に言えるか?意識してないけど、こんな作業を誰かがやってくれているので、食べられるのですよ。命をいただいているのですよ。と、身が引き締まる映画でした。

問題は浮き上がってくるけど、何も解決しないまま。実態を把握したマーケティング部長のドンですが、新しいバーガーを提案して、映画は終わります。一人の主人公がいるわけでもなく、散らかってる感あり。

時々、黄色のMの字のハンバーガー店の看板が映りますが、制作側としては「マクドさんのことじゃなくて、架空のミッキーズ・バーガーの問題ですよ。」とのアピールでしょう。

この映画では、儲け主義の会社がコスト削減のため メキシコ移民を安く使い捨て&アメリカの精肉工場周りの環境破壊してることを問題提起してる。だけど(糞が混ざるのは、極端な事例だと思えば、)他人の負担によって[安く食べられる]なら、まぁいいかーって安いハンバーガー食べ続ける人が多いと思う。自分ゴトとして考えるためには、[体に悪い]コトを訴えたほうが効くんじゃないかな。糖・油・塩に中毒性があるとか、食品添加物(化学物質)たっぷりとか。それを言っちゃうと、マクドさんを敵にしちゃうので、言えないか。

安くておいしいモノって増えてるけど、安いものを食べることは、その分、(自分も誰かも)健康を削ってるって考えていこう・・・時々。

 

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