ゴリマッチョなスパイが、頭のいい少女に使われるのが、かわいい。
『マイ・スパイ』
2020年 アメリカ映画 アクションコメディ 100分
主人公は CIAのスパイ JJ (デイヴ・バウティスタ)「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」での緑×赤の大男ドラックスの俳優。あの時はちょっと不気味だったけど、今作ではちゃんと人間だし、おちゃめで親しみやすいです。
あらすじはこんな感じ・・・
J Jはプルトニウム絡みの潜入捜査で、正体がばれかけたので大暴れしてしまう。悪の組織は潰したのでいいけど、プルトニウムはひとつ回収できなかった。
このプルトニウムを狙ってるフランスのテロリスト・マルケス。その弟の妻と子(母子家庭)に接近すると読んだCIA(の上司)は、J Jと女調査員ボビーにこの妻ケイト娘ソフィの監視を任命する。ボビーは戦闘できないIT担当。J Jの戦闘能力に憧れてる。
ケイトとソフィのアパートに監視カメラを仕掛けて、となりの部屋で監視。しかしこれがソフィにばれる。ソフィは小学生の娘ながら「黙っといたるから、言うこと聞いて」とJ Jに交渉します。今や、スマホで撮影して脅すって手軽にできちゃいますね。子供でも。学校ではイジメられたり、友達ができないのですが、大人には渡り合えるソフィ。母ケイトは忙しくて来れないので、スケートに連れて行ってほしい。授業参観に代わりに来てほしい、と。
J Jは学校では人気者になるし、イジメっ子にはちょっとやり返してくれた。スパイの技術も教えてくれる。ソフィは、それを飲み込みがいい。やがて後半で習得した技術が活きるかというと、そうでもない。
すっかりJ Jが気に入ったソフィは、母ケイトとJ Jをくっつけたい。(父=マルケスの弟 は死んじゃってる)二人を夕食デートにセッティング。そこでJ Jが踊りだし、それが下手くそで、周りの客から注目される。[夕食の席で踊る]ってアメリカでも、踊り上手くても奇妙な気がする。スパイなんだから目立っちゃダメじゃん。
そうやって、ソフィ親子と仲を深めている[ 戦士の休日的なのンびりした日々 ]が続きます。その裏でテロリスト・マルケスは動いてる。CIAに追いつめられ自爆した、と見せかけて裏から脱出してる。CIAの上司は、あいつら自爆で死んだから、この件はおしまい、と判断する。詰め甘すぎじゃないか。
CIA上司は J Jとボビーに、親子の監視から引き揚げて&クビ!と告げます。夕食の時踊ったのが撮影されててネットに上げられてた。みんながカメラを常に持ってる、(わざとじゃなくても)みんなが密告者になる時代ですな。
J Jはケイトに、監視していたことをバラす。任務が終わったなら、黙って消えていくのがCIAってものなはず。だけど、わざわざ監視モニターまで見せちゃうもんだから、心惹かれてたのに「今まで全部うそだったのね(怒)」となっちゃう。”全部”じゃないだろうに。
撤収しかけたときに、母子のところに、マルケスが訪れる。弟のPCにあるはずのデータを取りに来たのです。
CIAをクビになったとはいえ、ここからが本来の任務の目的。終盤にアクションで盛り上がる時間です。マルケスに立ち向かうものの、近所の住人のゲイカップルまでここに絡んでくる。ボビーは援護のつもりで、ろくに扱えない武器で暴走。そうこうしてるうちに、ソフィを人質にして逃げられてしまう。
ケイトと車で追いかけるカーアクション。逃走用の飛行機の周りで危険な救出劇。マルケスは飛行機と共に崖に落ちてい行きました。スパイの訓練、活かされてないわけですが、[爆発を背に歩き去る練習]をしてました。しかし、爆発が物足りない。J J「内緒だぞ」って手りゅう弾で爆発を増し増しに!爆発を背に歩き去るのを実演できてご満悦。 これこそクビになりそうな案件。
テロリストは始末したので、クビは撤回。ソフィ母子とも仲良しに戻って、またスケートに行く。めでたし、めでたし。
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ベタな展開。とも言えますが、上司は1.適した役割に配置してない。2.粗い確認で撤収を指示する。3.クビだとしても告げるの早過ぎ。など判断が、いちいち間違ってる。それに対し現場は、1.非監視者にばれても報告なし。2.その上仲良くなっちゃう。3.武器を無断でがんがん使う。など組織の規律に反して行動する。それでも最後には結果オーライというところが楽しい映画です。デイヴ・バウティスタはこれから、ドウェイン・ジョンソンの役柄を食っていけるのかな。
最初の掴みとラストの盛り上げ利に派手なアクション。中盤は日常のドタバタ。展開が解かりやすく、残虐シーンは控えめだし、エロはないので家族で観られますよ。