みたのですが、これは賛否分かれる映画でしょう。
というのも「逆転」て、[ 不利な状況から最後に劇的にひっくり返して勝つ] パターンでスッキリするのを期待してると、物足りない。 ぼーっと観てたら、不快だし。
こういう賞を与えられる映画って、社会問題を提起してたり、 従来の娯楽映画とは違う仕組みを使ってたり、新しい事やってるのが評価されるんだな。人間同士の関係とか、社会風刺だとか考えて観ると、「 面白かった」と言われるのかな。
逆転のトライアングル
2022年 スウェーデン 147分
あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます。
男性モデルがたくさん、上半身脱いで控え部屋に詰め込まれてる。 収入は女性モデルの3分の1だそうです。 カールがオーディションを受ける。どうやら落ちた。
ここでタイトル 「triangle of sadness」
あれ「悲しみのトライアングル」になりますね。あえて「逆転の」 と変えた邦題の意図は?トライアングルは、眉間のしわ、バミューダトライアングル、階層 ピラミッド を表わしてる。
ここまで序章があって、本編 3部構成になってる。
第1部 ヤヤとカール
モデルの男女カップルがレストランでディナーを食べて、 どっちが払うか揉める。
人気インフルエンサーの美女ヤヤ(ポスター左)の方が、 男性モデルのカール(ポスター右)より稼ぎはいい。
私が奢ると言ってたヤヤが、いざ会計の時に払う気なし。
コレを咎められたヤヤが逆ギレ。
巷では去年も「デート代は男がおごるべき論争」があった。 スウェーデンの映画だけど、北欧って女性の社会進出が進んでるから、 対等な感じ・・・かと思えば「 男がおごるべき」風潮はあるんだね。” 男女格差が先進国で最低の日本”と変わらんじゃん。
ちなみに「男が払うべき」が激しいのは、中国ですね。
結婚の条件に、男が「マンション持ってます」をアピールする。 つまり、家の購入費をすべて男持ち。 一人っ子政策のせいで、男あまり。男はここまでしないといかん。
何とか最後に仲直り。
わがまま美女。それに手を焼くイケメン。
このやり取りで30分以上やってるけど、 どちらも魅力を感じないキャラ。
この二人が主役で話が進むのか?二人の立場が[逆転] する話なのか?
前回書いた「ダンダダン」が、それぞれのキャラの魅力で、楽しく読めるのに対し、これだと先への期待感がないなぁ。
第2部 ヨット
豪華クルーザーで接客、給仕係が朝のミーティング。金持ち客に気に入られてチップもらうぞ――!
他の調理係や清掃係は有色人種で、ここに入れない下層って感じ。
いろんな金持ち客、有機肥料で大もうけしたロシアの富豪は「 クソを売って儲けた」て自慢の仕方。 イギリスの武器弾薬のメーカーのオーナー夫婦。接客スタッフに「 あーた達、今日は働かずに遊びなさい」と、 無理やり職務放棄させるマダム。 マストに汚れがあったと文句を言うマダム。 この船に帆なんかないのに。
わぁ、感じ悪いのばっか。
1部のカップルがまだマシ、普通の人に思えてきた。あ、 逆転が始まってるのかな。ヤヤがこの船に招待客として、 カールと一緒に乗ってる。
船長は部屋に引きこもり。 接客係の主任ポーラがもう何べんもドアをノックするが、出て来ない、 部屋にも入れさせない。どんな奴かと思わせる。そんなんで船はちゃんと運行するんだね。
高級料理が出てくるけど、客は船酔いで、吐きまくる!
「あーた達、今日は働かずに遊びなさい」 のマダムが、調理スタッフまで職場を離れさせたせいで、 ディナーの牡蠣の処理が悪く、食中毒も起きてたな。
ゲロげろシーンがそこら中で繰り返される。
この優雅にディナーを召し上がる富裕層が、優雅とは逆の無様な状態に陥る。このシーンに「ざまぁー見ろ」を含めて、観た人は面白いって感想なんだろうね。
さらに、トイレ。便器からゲロやらクソやら逆流しだす。 床までぐちゃぐちゃ。
不快 極まりなし。食事しながら観ない方がいい。キャプテンズディナーが始まってから、画面が揺れ続けてるので、その時から[気持ち悪いなぁ]は始まってた。注意喚起だったのかも。
|
船がこれだけ混乱してるのに、船長は操舵や指揮を執ることはなし。この調子で船、沈むんだな・・・と想像できるでしょう。それがこの後・・・
・・・・後篇に続く