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「クルエラ」邪悪、そっちでしょ⁉

ディズニーの「101匹わんちゃん」は観たことない。犬が何か冒険する話だろうか。しかし101匹は同時に行動しづらいよなぁ。それくらいの認識の人が多いと思うけど、このスピンオフは「101匹わんちゃん」知らなくても何の支障もないよ。

クルエラ

2021年 アメリカ 134分 ファッション・コメディ映画

あらすじ ネタバレとピーイチの意見を含みます。

1970年代のロンドン。少女エステラは生まれた時から、髪の毛が右黒/左白。普通じゃない、けど超能力があるわけじゃない。自己主張強いので、周りと軋轢がある。
母と二人暮らし。その母が、生活資金を借りに、友人を頼りに行ったら、犬(ダルメシアン3匹)が飛びかかってきて、崖から落とされ死んでしまう。
幼くして孤独の身となったエステラは、同じく身寄りのない二人の少年・ジャスパーとホーレスと出会う。彼らと3人で、スリや泥棒をして生計を立てて暮らしていた。

あれから10年。エステラ(エマ・ストーン)がいい年になった頃、彼らがアパレルの就職先を見つけてくれた。その「ハウスオブ・バロネス」のビルへの出社する映像がイイ。上空からの画で建物に入り、売り場の奥の、事務所の奥の、階段の下の、トイレを掃除してた。ここまで画面の切り替えなしのワンカット。そんなとこにいるの!?って表わしてる
そこで、勝手に店頭ディスプレイを飾り変えたところ、たまたまデザイナー社長バロネス(エマ・トンプソン)の目に触れ、気に入られてデザイン部門に昇格。
 数多くの他のデザイナーより、パロネスに評価される。ファッションセンスはとても優れてるのです。ある日、亡き母のネックレスをパロネスが付けているのに気づいた。あの時の母の「友人」はバロネスだった。[クルエラ]って「101匹わんちゃん」の女ボスキャラなんだけど、このバロネスが、まさにそんなキャラ。傲慢で冷酷、社員に容赦ない
ここまで、白黒の髪の毛をウィッグで隠して、有能な働き者スタッフとして、仕えてきたけど一転、パロネスからネックレスを奪う〜パロネスに復讐する。無一文から、まじめに働いて自身の能力でここまでのし上がってきたのに、悪党路線に戻る。迷いなし。亡き母が「クルエラ=邪悪な人 になってしまう」と恐れてたわけですが、ここからクルエラ始動!エステラとして勤務は継続しながら。ここまでの成り上がりストーリーも気持ちよかったけど、ここからの[バロネスにやり返す&自分のブランド価値を上げる]ストーリーへの助走だったな
ジャスパーとホーレスのふたりが、ずっと手伝ってくれる、いいヤツら。そして有能。潜入したり、ダルメシアン3匹を拐ってきたり、ファッションショーの準備や演奏まで、裏方としていい働きっぷり。途中からエステラが、偉そうに指示するようになって、不満を感じながらも、ちゃんと動いてくれる。「101匹わんちゃん」の、[女ボスと手下]の設定を表わしてる

バロネスが、母のネックレスを奪っていた。実は笛で犬を操って、母を殺していた。犬はエステラが暴れたきっかけで暴走したと思ってたので、今まで自分を責めてたのに。エステラのデザインを取り上げて自分の作品として手柄を横取り。
力を使ったこの横暴に対して、クルエラは、バロネスのファッションショーに現れ、派手な演出で注目をさらう。それを小学校の同級生だったアニータが新聞記者になってるので、記事にする。バロネスからどんどん、クルエラが人気を奪っていく。
[邪悪な人]ってバロネスの方だよね。それを華麗にやり返していくのが気持ちいい映画です。おしゃれなドレス、音楽、演出、いろんな仕込みが決まるのがいい
まぁまあ顔を晒してるけど(ジャスパーとホーレスなんて隠してない)、バロネスが、クルエラの正体=エステラだと分かるのは後の方で、遂にクルエラの家をつきとめ焼き討ち。ジャスパーとホーレスは脱出済み。クルエラは椅子に縛り付けられ炎の中。もう助けてくれる味方がいない。
ここでクルエラを救出したのは、バロネスの執事(マーク・ストロング)。この俳優さん、有能な裏方役(キングスマンとか)が多いのか、そのイメージ通りの働きです。この執事がクルエラ=エステラを助けた訳が衝撃。実はエステラを産んだのはバロネスだった。ところがバロネスは産んだその子を、殺せと指示する。執事は、使用人のキャサリン(育ての親)にその子を預けて、屋敷から出ていってもらった。

この事実にショックを受けるエステラだが、警察に拘留中のジャスパーとホーレスを、署にダンプで突っ込んで救出。ここまで騒動を起こしてるが、捕まったのはこれだけで、後に追われていない。この時代のイギリス、ゆるいのか。バロネスに復讐開始です。
ブランドの人気が落ちてきてるバロネスが、あの屋敷でクルエラの追悼パーティーを開催。そこでの仕込みも秀逸。招待客がみんな、白黒ヘアのクルエラ姿。警備員が気づいて、すぐに取り押さえるけど、死んだと思ってたなら、それクルエラ来たと思うだろうか?それほど神経を尖らしてたってことですか。あぁ失礼しましたお客様、ってことで、パーティにはクルエラ姿の客が並ぶ。追悼パーティーならそれもアリなはずだね。そこに紛れるクルエラ本人。
母が落とされた崖のテラスで1対1、バロネスとクルエラ。突き落としたのはバロネス。それをうまいタイミングで、屋敷にいた参加客たちが寄ってきて目撃。バロネスを社会的に抹殺。逮捕です。落とされたクルエラはパラシュートで生還。実の娘なので、正統後継者としてこの屋敷を手に入れたーー。おしまい。
巧みな仕掛けで、悪い権力者に勝つ!みんな好きな展開ですね。前半の、実力でのし上がってくとこ、様々な奇抜なドレスを披露するとか、飽きさせないわ。予想以上に良かった