前回の続き、この映画についての後篇です。
横領事件の話なのに、暗くない映画でした。
転
レイチェルは再度、資料室からスカイウォークの建設業者を調べ上げ
その住所まで凸撃します。
中年男性が誰かと住んでる豪華なアパートの一室。
しかし、後でこの家にフランクが入っていくのを目撃します。
フランクのパートナー(伴侶)でした。
ウソの支出をここに流してたってこと。
ここではじめて、「フランクもやってやがった横領!」となるのです。
映画観る前に「ヒュー・ジャックマンが巨額横領に手を染める 実話ダークコメディー ...」って聞いてたら、ネタバレですよ。ダメじゃん。
ベガスの元教え子は浮気相手ってことになります。
レイチェルは横領の事実をつかみますが、校内新聞でこれを公表すべきか、
悩みます。
ひとり、広場で悩んでいるレイチェルにフランクが言います。
「中途半端な考えを世間に公表したら、大きなしっぺ返しを食うぞ」
保身のための説得ですが、教育者らしいお言葉!
こういうトコロが「Bad Education」のタイトルになってるのかな。
監査役が不正支出についてフランクを問い詰めますが、
ここは脅して不問にしようとします。
結局レイチェルは公表する決心をします。
校内新聞の編集長は、それやったら[決まってるはずの自身の推薦入学]が無くなる覚悟で採用します。
次の朝にフランクが出社すると、みんなが白眼視。
あれだけ慕われていたフランクですが、説明会でPTAに罵声の総攻撃を浴びます。
ここでまた、忙しいのに構わず「うちのチャドは…」の母親が、教育長室まで来て息子を売り込んでくる。
フランクまぁ、イラつきます。「加速しろ、加速しろ、加速しろ!」と。
前半の完璧な教育者ぶりから、「裏の顔」が露呈したダメ押しに、この対応です。
学園の幹部職員に「公表は待て、補助金が消えるぞ。
自分は教師の給料でこの高校を全米4位にしたんだ。」
序盤でフランクはパメラと「同期の○○は収入6桁か7桁いってる。」と
気にしていましたが、教師の安い給料で職務に尽くしてきたわけです。
だから大目に見ろ、っても(映画の元になった事件では)1120万ドルですから、
もうグルになって隠ぺいなんて割に合わないでしょう。
しかし、これだけの功労者なら見返りもあっていいはず。
地域の不動産価値を上げたなどの経済効果はフランクのおかげ。
この恩恵を受けてる家庭まで、フランクを責めまくるのは自分勝手に思いませんか?
結
最後にベガスまで、元教え子カイルに別れを告げに行きます。
警察に捕まる前に、彼に資産を渡す的なことを告げます。
これは、あとで押収されたりしないのかな?
レイチェルは横領を暴いた功績が認められ、編集長になります。
教育熱心に活動して多くの信頼を得てきた教育長が
刑務所で過ごすことになりました。
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教育者の横領事件を 学生が暴いた。(事実ベース)
という痛快な話、とだけは捉えれませんでした。
フランクもパメラも悪いヤツ~って印象でもなく、
横領額は出てきても、豪遊シーンがあるわけでもないし。
これによって、「学力レベルを上げる」という
子供にとって、とても為になる能力 が高い人材を失うことになりました。
捕まらなければ、この人、この職場でもっと能力を活かせそう。
とかも考えちゃうんですよ。もったいな~って。
しかし、横領額と功績の経済効果を比較する、ということは
やっちゃいけなくて「犯罪だ。逮捕だ(不倫だ。もあり)悪い人だったんだ(功績消えた)」で思考を止めとけ。 というのが、世間にはあると思う。
悪事が発覚したやつの 良いとこ言うのは、
「そいつの肩もつなら、お前もやってんのか」って言われかねないからね。
芸能人が週刊誌に報道されて、消えていくのに、
我われ見てる側は、もう悪事の部分だけ評価し始める。
そういう事実も、楽しむというか[消費]するんだよね。
適材適所で活かされた能力の損失について、考えなくなるのでは?
そこで、映画のラストのシーンです。
フランクが、声に導かれて、ドアを開けると、
冒頭のような観衆の前へ。
ロズリン高校は 全米1位に。
拍手の中、その功績者として登壇するのです。
こんな未来もあったのになぁ~、と思わせる終わり方。
ちょっと考えながら観てみました。
(◇b’v`★)b’`゙ィ’`゙?ィ♪