宝くじが当たる前に見る映画「億男」

「お金と幸せの答えを教えてあげよう」という映画「億男」

宝くじが当たった男が、どうなるか？年末ジャンボの発表前に見ておきましょう。ネタバレを含むあらすじです。

 起

（今回、役名じゃなく俳優の名前で進めてきます、主役二人以外）

主人公、一男（佐藤健）は兄の借金を抱えて、昼は図書館で、夜はパン工場で働いてます。

妻：黒木華は娘を連れて家を出て行っちゃう。

それでも、娘には会える。娘は自転車を欲しがってる。福引の景品にその自転車がある。これにチャレンジです。

で、この福引で当たった宝くじ　に当たって、3億円を手にします。　

いざ大金を手にすると不安になって、大学時代の親友に相談に行きます。

これがツクモ（高橋一生）。「九十九」と書く。佐藤健が「一男」なので合わせて１００の名コンビ、だった。昔、九十九一という芸人がいたなー。あ、今でも活動してました。

九十九 一 | 俳優プロダクション エンパシィ

九十九は既にＩＴベンチャーで大儲けしてるので、お金の扱いを教わるのに頼れる男になってる。ウェーブ前髪が片目を覆う、クセのある髪形。

九十九に言われて、3億を現金でおろします。通帳にある数字より、現物を目の前にした方が実感わくもんね。マネーガンで飛ばしたいよね。「コンフィデンスマンＪＰ」で長沢まさみがやってた。

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いきなり豪華パーティ開催。九十九に言われて、酔っぱらった一男は札束をバラまきます。もう破綻に向かってるフラグ。

酔いつぶれて翌朝、一男が起きると、誰もいない。九十九もいない。金もなくなってる。親友（だった）に裏切られて3億円持ち逃げされた。(･ω･|l|) ｶﾞ━ﾝ!!

承

九十九を追わなくてはっ。最初の手掛かりになるのが、パーティに来てた池田エライザ。金持ちにくっついて遊んでる女。エライザに連れられて競馬場に来ます。そこに現れる怪しい金持ちがヒゲ面の北村一輝。

この競馬場で北村の金で100万賭けて、一男たちは、当たったり外れたりで、喜んだり落ち込んだりする。でも、実は馬券買ってなかったよーん。ビフォーアフターで同じ額の100万に対して感じ方が変わることを思い知らされる。

九十九の会社は「バイカム」。北村一輝もここの社員だった。

次に、怪しいセミナーの教祖の藤原竜也に会います。彼もバイカムの元社員。このセミナーでも、人々がお金に対する感覚を変化させていくことを知る。胡散臭いヤツばっかだね、元バイカム。

次にバイカム社員だった沢尻エリカを訪ねた。彼女も大金持ちになってるのに、暮らしは質素。大量の万札を壁の中とかに隠してる。それを一男にバラしていいのか、警戒してない。九十九の親友だから。せっかく金があっても幸せそうに見えない。結局、いろいろ聞いて回っても、九十九の行方は分からない。

これだと、佐藤健が動き回ってるばっかで、高橋一生が出てこないようですが、大学時代の回想シーンでいろいろ出てきます。二人とも落語研究会に属してた。ここで話される落語も、お金に関する話。その頃の九十九は、まぁ、ヘタレ。髪形もおとなしめ。よくもＩＴ長者になったもんだ。いや、バイトで稼いだ金を株で1億円にしたって、すげー大学生だな。一男が頼りにするわけだ。

彼が成長しただろうモロッコ旅行。大学時代、一男と二人でモロッコの各地を旅する。現地ロケです。いちばん金かけたんじゃないの、この映画で。結構な時間、モロッコの映像。砂漠でラクダに乗ったり。美しい風景を堪能してください、て感じ。

 転

一男は、妻に「宝くじで大金当てたんで借金返せる。やり直したい。」と告げるのですが妻：黒木華は「問題はそこじゃない」と。借金の返済のため、娘のバレエ教室をやめさせようとしたことが問題なのよ。借金無くなれば、そんなこと言わないでしょ。金さえあれば、習い事もたくさんできるよ。大学の受験とか、金積めば、チャンスは増えるんですよ。

じゃなくて、お金に振り回されてる性根が嫌なんだと。離婚したい、と。付き合い始め、図書館の司書と借りる客だった頃を思い出します。あの頃は金にこだわってなかった。そして娘のバレエの発表会を見る二人。泣けてくらぁ。

宝くじが当たって変わってしまう人じゃなくて、それ以前に借金で変わってしまった人なんですね。お金って、あっても無くても人を変えちゃう。

億男 [ 佐藤健 ]

 結

一男が帰りの電車でぐったり座ってると、横にでかいバッグを置く者が。九十九でした。3億円返しに来た。持ち逃げした訳じゃない。それは一男も解かってる。「お前のせいでこんな苦労したぞ！」みたいに怒らないもん。

一男に試練を与えたのだ、勉強のために…みたいなこと。元バイカムの3人に合って話を聞けるように仕向けてたのだ。いろんな経験して「お金と人生」についての答えを九十九に語ります。よしよし、と九十九は電車から去っていく。こんなとこで3億持たすか、危ないでしょ。

 3億戻って来たので、娘の自転車を買ってやる。妻のアパートの通路に置いてく。見つけた娘、喜ぶ。妻も、よしよし。

これでおしまいです。

自転車くらい買っても、まだほぼ3億残ってますよ。結局3億の使い方は描かれてない。そりゃ、自転車は、まず買ってやるわな。

借金は返せるし、夫婦関係は回復できそう、なので幸せ。という終わり方。3億手に入れても、ぐるぐる回って、元に戻っただけ。「お金って怖いもの」って感じて、使えないかも。または、お金で買えるモノに虚しさを感じて使えないかも。

・・・当たらなくてもいいか、宝くじ。

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