「読み終えた瞬間、世界が180度変わって見える-----。」というコピー
言い過ぎでしょう。そもそも0度がどこかも定まってないけどね。
「父が娘に語る
美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい
経済の話。」
の内容を語りながら、感じたことも述べてきますね。
ギリシャの経済学者 ヤニス-バルファキスが、
オーストラリア育ちの娘(十代)に話すつもりで書いたそうです。
アテネ大学の教授だけど、大学の教科書とは違うものを書いたのだと。
十代の女子に分かり易いか?
は疑問ですが、私ピーイチも経済について、子供に説明できるようになりたいので、読み込んでみました。
【第1章 なぜ格差があるのか?
ここでは、経済の歴史について書かれています。
生活に必要なモノを、昔は、必要な分だけ採ってきて、交換したけど、
「余剰」ができても保存がきくようになった。
言語と文字ができて、余剰を記録できるようになった。
この記録を記したものが、いろんなモノと交換できる→通貨になる。
これが「経済」の始まりだそうです。
これを管理する者が支配者階級になっていく。
はい、ここで格差が生まれますね。ローカルな。
分配が偏ってることを、庶民に責められないように生まれたのが
宗教だというのです。支配階級の仕組みを正当化する物語をでっち上げた。
世界中で多くの人が信じてる宗教は、支配者の都合で作られた話だったと!
これで説明がつくだろうか?
一方、資源が豊かな地域は、備蓄の必要がないので
「生活に必要なモノを、昔は、必要な分だけ採ってきて交換」でやってけた。
その分、経済は遅れたわけです。
のんきに暮らしてた資源が豊かな地域を侵略していくわけです。
ここで、地域間の格差が生まれますね。
・・・そーだね。現代でも、ヨーロッパを見ると、
南の方は穏やかな気候でのんびりシエスタみたいな感じで、
北の方のがあくせく働いてー経済が強い感じ。
ギリシャも南側だわ。
【第2章 市場社会の誕生
エギナ島でのバカンス描写から始まります。
娘に語る風で、お堅い内容を柔らかくしてくれます。
しかし、手っ取り早く経済を学びたくて読んでる者には、まだるっこしい。
今どきは、何でも値段がつくと思われてるが、それは「交換価値」
金で買えない「経験価値」てのがあるんだと。
名誉や賞状や、親密さの証になる助け合いとか。
献血は、有償の国のが集まりにくいんだって。
市場社会ができたことで、生産の3要素が突然[商品]になった。
・生産手段
・土地、空間
・労働者
「世界はカネで回ってる」という言葉。
感じ悪いけど、真実に近いのだそうです。
みんな利益を追求するようになったから。
リサイクルショップや、オークションやフリマができて
「自分の持ち物が金に換えれる」感覚はみんな持つようになったよね。
【第3章 利益と借金
今度の出だしは、マーロゥの戯曲の話から。
ギリシャ人って神話とか、こういう話が身近なんだろか?
「借りができた」って場合、
これが借金なら 交換価値。利子が必要。
助け合いなら、いいことしたという満足感の経験価値。
封建時代には「生産→分配→債権・債務」
生産の3要素が[商品]になったことでこれが大転換。
事業を起こすため、借金してから生産して利益を生む、という構造。
企業家でないとこの感覚は、解かりづらいかも。
この借金で経済は拡大していった。
昔は、キリスト教では利子は悪いことだとしていた。
イスラム教は今でも(表向きは)禁じてる。
なのに「市場社会」になったら、この教えはなくなったそうです。
宗教って絶対的な教えじゃないんですね~、都合で変わる。
【第4章 金融
企業家の「借金」って未来から交換価値を引っ張ってくる。
誰が金を貸すリスクを負うのか、の説明をされます。
サブプライムショックの時によく聞いた、金融機関はこれを小分けにして
金融商品として売る、という仕組みね。
「銀行はどこからともなく魔法のようにお金をパッと出す」
というのがよく分からなかったのですが、
「中央銀行が」なら、マネーサプライのことだと判りますね。
良く調べて「どこからともなくお金をパッと出す」と説明できるようになりたいです。
この本では娘に語ってるだけで、娘からの言葉は想像です。
銀行は景気のいい時は気前よく貸し出すべきでは?
国が銀行のシステムを守るのはいいけど、銀行の人は救わないほうがよくね?
という想定質問が出てきます。
答えは、政治家が銀行から支援を受けてるから。
引退後に銀行に天下りするため。
どーせ、そんなことだろう。てなことが答えなのでした!
娘もがっかりでしょうね。
借金の帳消しは、再起のため、問題を大きくしないために必要だという。
そして、金持ちは税金を十分払わないくせに、国の助けを求めるんですよ、と。
儲けるための環境を国家が与えてくれてる。 しかし、あいつら
儲けれてるのは自分が頑張ってるからですよ~とか思ってる、と。
その金持ちが払わない不足分の金を、国家が借金するのが国債。
銀行は現金が足りなくなった時のため、国債を持ってる。
銀行は国に守ってもらいながら、市場社会を不安定にしてるけど、
この「借金」のおかげで経済が拡大したのだ。
それが格差を広げることにもなりますが。
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この本、第8章まであるのですが、長くなりますので
続きはまた次回に。
(◇b’v`★)b’`゙ィ’`゙?ィ♪