「グリーンブック」は観ておくといい映画
アカデミー賞の授賞の映画。
実話をもとにした、車でアメリカを旅する話。
金持ちの黒人ピアニストと庶民の白人警備員のコンビ。
テーマは 人種差別。
難しくて、重く退屈そうな映画かと思いきや
わりと明るい感じで、話が進むので気軽にみれます、130分。
肌に色で差別する文化の無い日本人 からしたら
「白人やだわ~。自分より能力ある人を黒人というくくりで蔑視するぅ。
人種差別やめようぜ!」 と思っちゃいますが、
アメリカの歴史と地理を少しわかっておくと理解が深まるでしょう。
話のスピードはそんなに速くないので
せっかく観るなら、ちょっと知っておいたほうが為になるって。
そうやって、学べて、ちょっと笑えて、ほっこり感動する映画。
内容ざっくり (ネタバレなし)
南北戦争(1861-65)から100年ちょい経った頃の話。
NYにて
黒人差別がほぼ無いアメリカ北部で、ドン・シャーリーはピアニストとして高い評価を得ていた。
根強い黒人差別がまだ残っていたアメリカ南部へコンサートツアーに行く。
そのために用心棒のスペックが高い白人トニー・リップを運転手に雇う。
北部でも裕福ではない白人は、黒人差別しがち。トニーもそれ。
ドン・シャーリーは今まで黒人差別を受けずに来たけど、
このツアー中に、まぁ何度も差別を受けます。
まぁ何度も警察に捕まります。
これだけだと、エラそうに振る舞ってるドン・シャーリーがトラブルに会うたびに
経験豊富なトニーが上手いこと立ち回るってだけ、みたいですが
お互いギブ&テイクがあって、最初は合わない感じのふたりに
友情が深ま~る話。
ドン・シャーリーも雇い主だからって高圧的に命令するだけじゃない。
紳士的な言い方だし、優しくアドバイスしてくれる。
油だらけの手で 高級車のハンドル握っても怒らないし。
初めて遭うはずの差別待遇に対して冷静。
常に背筋ピーン、ていうかふんぞり返り気味。
イライラしないよう鍛錬してるのか、見習いたいですね。
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そして、旅に出て異文化交流によって、人は変化してゆくって話。
ラストは雪のクリスマスに帰ってくる。ほっこり温かくなるシーン。
クリスマスに観るのもいいかも。
子供と観るには、途中の同性愛?シーンを説明できるか、それ次第。
気にして観るといい部分
フライドチキン:
ケンタッキー州だからと言って登場する。庶民の食べ物、という捉え方だけでも通じるけど、黒人奴隷の食べ物だったという歴史 も加わるとほかのシーンでも感じることが増える。
翡翠:
「落ちてたから拾った」って程度の宝石みたいだけど、
大切な記念の品になる。これもグリーンだ。車と同じ色。
ブロンクス:
NYでも危険なエリア。裕福な白人は他の都市に移住して、1970年代の治安は最悪だった。
南部と言っても東半分:
西海岸まで渡ってたら8週間じゃ帰ってこれないだろうと心配しましたが、
ニューオリンズ(ルイジアナ州)まで行って引き返してる様子。
Show me:
最後の酒場で「世界一のピアニストだ」と紹介すると
パーテンダー女性は「Show me」と言う。
訳は「見せて」じゃなく「聴かせて」でした。
もちろん、他にも意訳箇所はあるんでしょうが、聞き取りやすいトコです。
エンドロールで「プロデューサー、バレロンガ」:
トニーの息子が制作(に参加)したみたい。
トニーの奥さんが、美人で優しいのに、
こんなガサツで貧乏なトニーを一途に待ってるのが、
安定感と言うか、ほっとして観られます。
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